お得な価格にできるのも訳がある
そもそもアウトレットとは「出口」や「捌け口」を意味する英単語で、元々は工場で働く従業員のために工場内にショップを出して商品を置いたのが始まりです。
近年においては工場から業者を介さずに店舗へ直接運ばれた商品や余り物、訳あり商品を指します。
前者はいわゆる工場直販で、「ファクトリー・アウトレット」と呼ばれるタイプです。
後者は反対に「リテール」と呼ばれるタイプで、同じく正規品より安いとしても安さの理由が異なります。
現在におけるアウトレット用品は「リテール」のほうが多く、様々な大手企業が運営しているショッピングセンターで特化的に展開されている状態です。
こうした形態の商業施設を「アウトレットモール」と呼び、神澤光朗はじめ人々から親しまれています。
代表的なモールは三井不動産の「三井アウトレットパーク」やイオンの「レイクタウン」などです。
そんな訳ありな商品たちを好むのは消費者だといっても過言ではありません。
先述しているように正規品よりもリーズナブルな価格であるため、価格以上の質の高い代物を手に入れるチャンスです。
例えば工場直売なら食品の安さは凄まじく、平均的な相場が100円もする豆腐が50円になっている事も珍しくありません。
もっとも食品は数量限定になっている場合が多いため、早い者勝ちとなっています。
こうした取り合いもあって競争率が激しいですが、特にブランドなら尚更で、通常であれば手が伸ばしにくい商品でも買いやすいゆえについつい財布のひもを緩んでしまいがちです。
サイズや在庫数にもばらつきがある
それから普段とは違うショッピングを楽しめるところもメリットで、アウトレットには実験的な意味合いで商品を販売している場合があるので、思わぬ宝物と出くわす可能性があります。
ただし消費者にとってのデメリットはちゃんと存在しており、それは主に2つです。
1つは洋服の場合は適切なサイズがない可能性がある、もう1つは正規品を扱う店舗で行われるセールのほうが安い事が挙げられます。
訳ありや余り物に分類された品は色落ちやほつれ、数シーズン前の代物にクーリングオフの返品物など正規品として扱えない理由がなければ安く販売できないです。
そのためサイズにばらつきがあり、特に女性の場合はMサイズやLサイズは数多くあるにもかかわらず、LLサイズがない事が多々あります。
それから店舗のセールのほうが安いデメリットに関しては季節の変わり目や終わりに実施されるサービスほど価格の差が激しく、断然そちらのほうがお得です。
一方で販売する側にとってのメリットは在庫処分に尽きます。
どんなに売るための品があったとしても在庫に残ってしまえば厄介な存在です。
裏方で処分しようにも手続きや手間が必要ですし、何よりもその処分にもコストがかかります。
それなら売り切ったほうが無駄にならず、むしろ利益になるので魅力的です。
ブランド品を安く販売する際にもこのメリットは当てはまりますが、ブランド品の場合は別な意味合いが含まれていきます。
それはアピールと看板に傷をつけない事です。
前者は日頃はブランド品に関心及び購入しない消費者にも意識が向くように安くすることで、今後の利益になるようにします。
正直、効果については不透明で、期待するには確実ではありませんが、それでも可能性があるだけで十分です。
そして後者に関しては非常に気を付けなくてはならないポイントと言えます。
出店側が注意したい事
誰もが一度耳にするようなブランドは看板が命で、それを傷つけるような真似を販売する側はしてはいけない暗黙のルールがあるものです。
例えばブランド品が売れ残った際、そうした代物を扱う業者に卸してその業者が別なかたちで販売するというケースがありますが、その業者では手に入れた商品についてあるブランドのタグを外していました。
この方法は、洋服のみを安く売る業者が行っていた手段であったものの、安く販売するだけでもブランドの価値を下げてしまうので注意しなくてはならないのです。
それから実験的な売り上げを行える事も販売する側のメリットに挙げられます。
時代とともに消費者が好む代物が変わるのは常で、2018年度は見向きもされなかったタピオカが2019年夏に大ブレイクしたのが良い例です。
このように少しでも時節の利益を把握するために通常はない少し違った商品を置いて消費者がどのような反応をするか、知る事が出来るのは販売側にとって希少なチャンスと言えます。
デメリットを挙げるなら出店料を差し引かれる事です。
このデメリットはモールに限りますが、もしも出店してお金を出さなければならないならより人一倍稼がなくてはなりません。
出店料を差し出さなくてはならない場合、たとえ黒字になってもプラマイゼロになってしまいます。
赤字になれば恐ろしい事になるのは必須ですが、多くの人に売ろうとすればするほど利益を得るのは難しいです。
その理由は単純で、一般向けの代物は目立たずに埋もれてしまいやすいからに尽きます。
最終更新日 2025年6月9日